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ダブルクロス用シナリオ 「名無しの切り裂き魔」
虎は死して皮を残し人は死して名を残す
しかし『彼』には、死んでも残るものが何もなかった。
その厳然たる事実に苦しんだ『彼』の存在証明、その手段とは……
ダブルクロス2nd Edition 「名無しの切り裂き魔(Nameless Ripper)」
PC1と4は必須。最悪3人いればなんとかなるので後は適宜調整(ぉぃ)
ハンドアウト
PC1
ロイス 小野寺 誠 推奨 P 庇護/N 不安
カヴァー/ワークス 刑事/自由
クイックスタート 気高き守護者
君は、ある連続殺人事件の捜査を後輩の小野寺 誠と一緒に行っている。
彼の妹も、犯人の手にかかって重体。
それからずっと小野寺はふさぎこんでいる。
普段、快活な彼がこんな調子なので少し心配だ。
PC2
ロイス 連続殺人鬼 推奨 P 好奇心/N 恐怖
カヴァー/ワークス 高校生/自由
クイックスタート 不確定な切り札
最近、君が通っている高校の生徒だけが狙われる連続殺人事件が起こっている。
クラスメートの小野寺葉月も被害に遭って、入院。
もしかしたら、次に狙われるのは自分…かもしれない。
PC3 ロイス 連続切り裂き魔 推奨 P 自由/N不安
カヴァー/ワークス(UGN関係者ならOK)
クイックスタート 魔術師の仮面
君は、手元の資料を見ながら”ロシナンテ”佐上道明から
今回の依頼内容を聞いている。
なんでも、連続殺人鬼がいると今評判のH市で一週間ほど前から
連続切り裂き魔が出たんだとか。
やれやれ、物騒だね。
PC4
ロイス 小野寺 誠 推奨 P 有為/N 食傷
カヴァー/ワークス 記者/自由
クイックスタート 幻の造り手
君は、連続殺人鬼の事件を取材する為、いつものようにアポなしで事件現場に来ていた。
今日もあの刑事が君の所にやってくるはずだ。
生真面目だけど口の軽い、情報ソースとして役立つアイツが。
PC5
ロイス 名無しの切り裂き魔(Nameless Ripper)
推奨 P 執着/恥辱
カヴァー/ワークス 探偵orボディガード/自由
君は、調査対象(もしくは護衛対象)を見失ってしまった。
その後なんとか見つけたが、彼は全身ズタズタに切り裂かれたあわれな被害者になっていた。
幸い息はあるが依頼と報酬はこれでパーだ。
こうなったら犯人を見つけてとっ捕まえて……どうしてくれようか。
シナリオ情報技能として「情報:K市」を1レベルで配布する事。
オープニング
時間軸
PC2→PC1&4→PC3→PC5
PC2 隣の空席
隣の空席を見ながら、連続殺人鬼について色々考え込むシーン。
連続殺人鬼に襲われて入院中の小野寺葉月を心配したり、
噂で聞く殺人鬼の手口に恐怖してみたり。
一通りPC2のロールプレイが終ったところでシーンを切る事。
なお、シナリオロイスは連続殺人鬼か小野寺 葉月に。
(葉月にロイス取った方が自然かもしれない。 この場合の推奨感情はP友情 /N不安)
PC1 後輩の異変
回想シーン。
事件現場へ車で移動する場面からから。
車を運転する君の横で、小野寺 誠は黒かりんとうを美味しそうにまぐまぐと食べている。
仕事の時は気持ちを切り替えていつもしっかりと仕事をこなし、さらに不思議な勘の良さで犯人の特徴、
性格等を当てていく小野寺。
PC1は、そんな彼を信頼している。
が、事件現場に到着し、被害者を知った小野寺は混乱する。被害者になったのは自分の妹だからだ。
小野寺は手袋を素早くはめ、その手で現場に残された凶器(ナイフ)を親の敵のように無造作に掴み取る。
その直後、小野寺が突然倒れる。
(この時、小野寺はナイフを取り落として左手の甲に怪我をする。それをPC1はよく覚えている)
そんな事を思いつつ、PC1と小野寺は殺人現場へ、現場検証を行う二人。
小野寺はすぐ目を覚ましたが、大事をとって早退。
そして回想シーン終了。
あれから一週間。小野寺は丸々一週間無断欠勤をした。
そして今日。小野寺が出勤、上司に無断欠勤をした旨を詫びている。
あの後小野寺はすぐに事件の捜査から外された。
……やはり、無断欠勤の間に独自で犯人を追っていたのだろうか?
と不安になるPC1だった。
シーン終了。
PC4 不吉な予兆
シーンはPC1と同じく1週間前。
PC1と同じシーンを目撃。
同じように衝動判定を行う事。ここで、PC1とロイスを結んでも構わない。
(左手の甲の傷に関する情報も知っておいて構わない、と言うより目撃しているので知っている)
PC3 殺人鬼と切り裂き魔と
ロシナンテから、連続きり咲き魔がオーヴァードである可能性を聞かされる。
腕が伸びたという証言から、おそらくはエグザイルの発症者だろう、と。
PC3の見解を聞いてからシーンを切る。
ちなみに、ロシナンテはK市に連絡役として派遣された。
どうも、暇そうに見えたので狩りだされたようだ。
PC5 名無しの切り裂き魔
PC5が名無しの切り裂き魔に遭遇。
PC5に名前を聞かれたなら「『名前』か……あれば良かったんだけどな。
とりあえず、『名無しの切り裂き魔(Nameless Ripper)』とでも呼んでくれ」
と言い残して去る(<騒がしき行列>使用)
ミドルフェイズ
出会い系シーン
お見舞い シーンプレイヤー PC2
小野寺 葉月のお見舞いに向かうPC2。
彼女の病室で小野寺 誠とPC1にばったり出くわす。
PC3と4 シーンプレイヤー PC4
連続切り裂き魔を追うPC3にPC4が出くわし、記者仲間とカン違いして話し掛ける。
PC4と5 シーンプレイヤー PC5
連続殺人鬼(PC5が実際に追おうとしているのは名無しの切り裂き魔の方)を
探す為に聞き込みをしている最中だったPC5に、連続殺人鬼を追うPC4が突撃インタビューを。
勿論会話はまったく噛合わないものになるだろう(笑)
固定イベント(適当な段階で起こす事)
彼が『見た』事 シーンプレイヤー PC1
(PC1とPC2の出会いシーン終了後)後日、小野寺と共にH高校で事情聴取をしていると、
小野寺が黒い背広を着た一人の男性教師と対面するやいなや、突然飛び掛って組み伏せた。
PC1が理由を聞くと、「こいつが連続殺人犯だ。僕が『見た』んだから間違いない」と
要領をえないことばかり言い出す。
結局、証拠不十分の為に教師は釈放される。小野寺はただ恨めしげに、その男が去っていくのを見ていた。
その後、苛ついた表情で煙草を吸い始める。
(意志チェック、6で成功)確か、小野寺は煙草が大嫌いだったはずだが……?
何故か酒場で意気投合 PC4
PC1のみ何があっても登場不可
仕事帰りにPC4が行きつけの場所へ飲みに出かけると、偶然小野寺と出くわす。
そして勢いに任せてはしご酒。
何故かお互いに職場の愚痴まで言い合う仲になってしまった。
「『名無しの切り裂き魔』なんて、もう出るわけないよ。なにしろ、事件はもう終わったはずなんだからさ」
と、そんな事を小野寺から聞くのだが……
最後に意志チェック、8で成功すると小野寺が右手で箸を使ったり、左手で箸を使ったりと
バラバラだったりした事を思い出します。
連続殺人犯逮捕! シーンプレイヤー PC1(全員登場可能)
放課後、帰宅途中のPC2が連続殺人犯に襲われかける。
が、こいつは<ワーディング>一発で沈む。
そこへPC1達警察と、野次馬に混じってPC3、4、5が駆けつけ犯人が逮捕されるのを目撃。
それを見届けた後、PC1は小野寺の方をみやった。
自分の手で捕まえられなかったのが悔しかったのだろうか、やりきれない表情をしていた。
犯人は、PC2が通っている高校の臨時教師で、以前小野寺が事情聴取の際に組み付いた相手だった。
ちなみに、この後PC2が動く理由がなくなったりする事もあります。
そういう時は、PC5の代わりに襲撃を受ける役割を務めてもらいましょう。
消えない影 シーンプレイヤー PC2
『連続殺人犯逮捕!』の翌日、小野寺葉月からPC2に電話がかかる。
「なんだか最近私の周りで『知らない誰か』がうろついているみたいで、気味が悪い。
わたし、大丈夫なのかなぁ?」と不安を露にする葉月。
ニュース マスターシーンにつき登場不可
『消えない影』と同時刻、あるニュースが流れる。
昨日逮捕された連続殺人犯が、何者かの手によって意識不明の重体に追い込まれた、と。
襲撃 シーンプレイヤー PC5(動く動機が無くなったPC2)
途中でPC1も登場可能
オープニングで出会った『名無しの切り裂き魔』を追っていると、突然ワーディングエフェクトがかかる。
そこにいるのは、PC5が必死で探していた『名無しの切り裂き魔』だった。
顔を見られたと思い込んでいるらしく、本気で殺しにかかる。一度だけコンボ攻撃。
PC5がオーヴァードである事に気付いた切り裂き魔は、歓喜の笑いを上げる。
そこへPC1が登場。名無しの切り裂き魔はPC1の登場にうろたえつつ、<騒がしき行列>で去る。
情報
マップ H高校、裏路地、UGN H市支部、警察、新聞社
連続殺人鬼(H高校、新聞社)
<情報:噂話、報道、H市>4
H高校の高校生ばかりを狙う殺人鬼。右利きらしい。
唯一の生存者は小野寺葉月という女子高生のみ。
相手の身体を刃物で何度もメッタ刺しにする非道なやり口である。
なお、凶器である刃物の情報は流れていない。警察でその情報を黙秘している為である。
連続切り裂き魔(裏路地、H市支部)
<情報:裏社会、H市、UGN>6、10(UGNのみ)
6:黒い背広を着た男性のみを狙い、ナイフでズタズタに切り裂く。
傷はかなり浅いので、死んだ者はいない。どうやら左利きらしい。
黒尽くめの服装で、顔はマスクで隠してあったのでわからないらしい。
何故か返り血をわざわざ浴びるような真似をしている。理由は不明。
(PC1もしくは4が調べた場合)犯人の背格好があまりにも小野寺に似すぎている事がわかる。
さらに、PC1は小野寺が休みを取った日に限って切り裂き魔による事件が発生しているとわかる。
UGN 10:犯人は戦闘用人格を有している可能性が高い。
凶器について(警察)
<情報:警察>3、7
3:連続殺人鬼の凶器と連続切り裂き魔の凶器とおぼしきナイフは全く同一のメーカー製品。
同一犯ではないはずなのに、何故凶器が一致する?
7:どうも切り裂き魔のナイフはダミーの凶器らしい。
しかし、何故切り裂き魔が連続殺人鬼の凶器を知っていたかという謎は残る。
小野寺 誠(何処でも)
(<意志>で思い出す、PC1のみ)5、8
5:そう言えば甘党で煙草も酒もダメだったはずだが
最近、彼の趣味嗜好が逆転している気がする。理由はよくわからないが。
そのうえ、雨でもないのに長い雨傘を持ち歩くと言う奇行も始めた。
8:以前、物や人の手に触れると何故か色々わかるのだと小野寺本人から聞いたことがある。
戦闘用人格について
<情報:UGN>4、7
4:何らかの要因で発生した別の人格。
覚醒時からこれを有しているオーヴァードもいれば、何かのショックで
後天的に発生するケースもある。
7:かつて、<サイコメトリー>使用時のショックにより戦闘用人格が発生したケースがあった。
クライマックスフェイズ
変容、変貌、そして……
最初はPC1、PC2のみ登場可能
病院へ小野寺 葉月のお見舞いに行くPC2と重傷を負った連続殺人犯の監視に向かうPC1。
二人はばったり会う。
そして情報交換の後、どうも何者かに狙われているらしい小野寺 葉月の病室まで一緒に行こうという事になった。
葉月の病室で、不穏な動きを監視しつつ葉月と談笑する二人。
そこへ、左手に菊の花束を持った誠が病室に入ってくる。
いつもの誠に見えたが、その目に宿る光は狂気を帯びている。
突如、ワーディングがかかる。いつもの衝動判定。
そして気絶した葉月に向かってマイナーでインフィニティウェポン、メジャーで伸縮腕と練成の掟を
使って攻撃。
攻撃が葉月に当たるかカバーリングしたPCに当たるかした後、一瞬だけ正気に…元の人格に戻る誠。
悲痛な表情で「先輩、PC4さん、逃げてください!」と叫ぶ誠。
ここで病院内を隅々まで監視していた他PCも集合。
そして小野寺 誠から名無しの切り裂き魔へと人格がスイッチする。
名無しの切り裂き魔はからからと不快な笑い声を立て、俺を殺せば
こいつも死ぬぞと脅す。
誠を止める方法は3つ。
そのまま力任せに殲滅する、
または、誠のロイスを残して名無しの切り裂き魔&連続切り裂き魔のロイスをタイタスにする
(もしくは最初から名無しの切り裂き魔&連続切り裂き魔のロイスを取らない)事、
そして、誠の説得である。
(エフェクト使わなくても良い。むしろ、言葉で説得してほしい)
“名無しの切り裂き魔”(ネームレス・リッパー) 小野寺 誠(注:戦闘用人格バージョン)
ワークス/カヴァー:刑事/刑事
シンドローム エグザイル/モルフェウス Dロイス:戦闘用人格
[肉体]7
[感覚]3
[精神]4
[社会]2
技能
<白兵>3 <運動>1 <射撃>1 <隠密>2 <運転:車>1 <知覚>2 <意志>2 <RC>1 <追跡>1 <情報:警察>1 <交渉>4
エフェクト
<サイコメトリー>2 <異能の指先>2 <騒がしき行列>2
<インフィニティ・ウェポン>2 <伸縮腕>2 <ギガンティック・モード>2
(<ダブルモーフィング>2 ←強すぎるようなら外す) <レインフォース>2 <錬成の掟>2
<クリスタライズ>2 <守りの砂>2 <折り畳み>2 <呪われし物の印>2
<ヴァイタルアップ>2 (<魂の練成>3<透過>2)
コンボデータ
攻撃コンボ 死神の鎌
マイナーで<インフィニティ・ウェポン>使用。(攻:5 防:3/10)
<ギガンティック・モード>(+<ダブルモーフィング>、強すぎるなら削る)+<レインフォース>
+<錬成の掟>+<クリスタライズ>
範囲攻撃。攻撃力+17 装甲値無効。ダイス17個、クリティカル値8。
(ダブルモーフィング使用時はダイス16個)
骸の腕
上記コンボに<伸縮腕>を追加。
射撃距離からの範囲攻撃。攻撃力17、装甲値無効。ダイス19個、クリティカル8。
(ダブルモーフィング使用時はダイス18個)
防御コンボ
<錬成の掟>+<守りの砂>
クリティカル値8。RCで避け。ダイスペナルティ2個打ち消し。
ダイス14個。
HP22(42) イニシアティブ10 装甲値0 攻撃力5(防御値3/10) 侵触率120%(戦闘用人格の影響によりダイス+10個)
行動指針
最初の一撃はPC1か4に。
後は<伸縮腕>を使ったコンボで射撃距離のPCも攻撃していったりとか。
一度昏倒しても<魂の錬成>で一度だけ蘇る。
あと、<透過>でHPを回復する事もあり。
(PCの人数、戦闘要員の数を見て加減する事。
小野寺 誠が<サイコメトリー>で連続殺人犯の凶器から記憶を読み取ったショックで作り出した別人格。
オリジナルである誠の性格と、連続殺人犯の残虐な性格が入り混じった不安定な人格である。
彼の犯行動機は「存在証明」、そして誠との「入れ替わり」。
自分が“死んだ”後も、自らの存在を証明する為に一連の事件(連続切り裂き事件)を起こした。
(他に、自分の存在をアピールする為に誠と違う趣味嗜好をPC1やPC4に見せつけることもあったが、
やはり効力が薄いと判断してやめたようだ)
そして、誠と自身が「入れ替わる」為に誠とつながりの深い(と名無しの切り裂き魔が判断した)PC1とPC4を狙った。
誠の『影』でしかない自分の存在に嫌気がさしているせいである。
犯行後に人格を切り替え、誠に血塗れになった自分の手を見せることで、精神崩壊させようともしていた。
(出血量の割に相手の傷が浅いのは、まだ名無しの切り裂き魔の人格が不安定なせいで止めを刺しきれなかったからである)
エンディングフェイズ
PC1以外のエンディングは希望があれば変更する事。
PC1のエンディングは2つ。
1.小野寺が死亡した場合、2.小野寺が生き残った場合、である。
1 サヨナラ、先輩
瀕死の重傷を負ってもなお人格は安定せず、悲観した小野寺は首の動脈を自ら掻き切って死亡。
そして切り裂き魔事件は迷宮入りのまま終わり、小野寺の存在はUGNの介入によりすべて抹消された。
2 帰ってきた後輩
一ヵ月後、退院した小野寺。
それをPC1は暖かく迎える。
PC2 退院祝い
小野寺葉月が退院。PC2達クラスメート全員でお祝いパーティを開く。
(小野寺誠が死亡している場合は、葉月は彼らについての記憶を抹消されているので
その話題が出る事はない。それはPC2が一番よくわかっている。
存在証明を求めながらも結局は消えていった二人を、PC2はどう思ったのだろうか?)
PC3 報告
“リヴァイアサン”に今回の報告書を提出。“リヴァイアサン”は新たな指令を下す。
PC4 存在証明(小野寺死亡バージョン) または 後に残ったもの(小野寺生存バージョン)
小野寺が起こした事件を記事にするかどうか迷う。
プレイヤーが選択したら終了。
(もっとも、UGNによる『処理』が行われているならば記事には出来ないだろう)
PC5 平穏な日常は何処だ?
先日の連続殺人鬼逮捕劇で何故か顔だけ売れてしまったPC5。
インタビューをねだるマスコミは今日も事務所の入り口でひしめいている。
…早くいなくなってくれ。
もしかしたらここにPC4もいるかもしれない(ぇ)
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